力学A (2012):物理学類1年生対象(大学初年度)

物理学における基礎科目として、質点の運動を丁寧に学ぶ。その際、概念的には普遍性の重要性、座標変換の意義、保存則等について学び、技術的には物理学において必要とされる基礎的な数学(微分方程式、線形代数、ベクトル解析)の一部を厳密性は犠牲にしても理解できて使える算術の方法として自己完結的に講義する。また適宜レポート問題を主とする演習を行う。


[参考]
一般力学: 山内恭彦(岩波書店)
見たことない物理屋はもぐり[amazon]
解析概論: 高木貞治 (岩波書店)
理科系の大学卒なら必ずもっているハズ[amazon]
物理学のための応用解析: 初貝安弘 (サイエンス社)
上述2冊と併記させていただくのは僭越ですが、本人が以前類似の講義したときの内容なので、[サイエンス社][amazon](現在出版社にも在庫がないようですが増刷してくれるそうです。今しばらくお待ちを)

1.はじめに
・物理学における普遍性と質点の意義
・運動の記述
2.1次元の質点の運動
・速度、加速度と力
・常微分と偏微分
・ニュートンの運動方程式
・運動エネルギーと仕事
・運動量と力積
・保存力とエネルギー保存則
3.基本的な線形常微分方程式
・常微分方程式とその解
・線形性と重ね合わせの原理
・複素数とオイラーの公式
4.1次元の振動現象
・特性方程式と固有振動
・減衰振動、強制振動、共鳴
5.3次元の運動の記述
・ベクトルによる物理量
・ベクトル表記による運動方程式
・アインシュタインの記法
・ベクトルの内積
・勾配
6.3次元の質点の運動法則
・ベクトル記法での運動方程式
・運動量と力積
・運動エネルギーと仕事
・力学的エネルギー保存則、運動の定数
7.物理法則とその普遍性
・座標系と基底ベクトル
・座標変換
・外積と角運動量
8.問題と試験