トポロジカル相以前のトポロジカル相

昔の科研費 科研費 1992年度:電子系スピン系におけるトポロジカル効果 科研費 1994年度:物性論におけるトポロジーと幾何学的位相 私の講演ファイルのいくつか  MIT, Boston (2003)  APS/JPS March Meeting (2004)  JPS Fall meeting, JAPAN (2004)  APS/JPS March meeting (2005)  JPS F...
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力学A (2012)

 力学A (2012):物理学類1年生対象(大学初年度) 物理学における基礎科目として、質点の運動を丁寧に学ぶ。その際、概念的には普遍性の重要性、座標変換の意義、保存則等について学び、技術的には物理学において必要とされる基礎的な数学(微分方程式、線形代数、ベクトル解析)の一部★を厳密性は犠牲にしても理解できて使える算術の方法として自己完結的に講義する。また適宜レポート問題を主とする演習を行う。 一...
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広島大学集中講義(2012)

Physics of bulk-edge correspondence by Y. Hatsugai Hiroshima Univ. June 27-29 (2012)  ( hosted by Prof. Akio Kimura ) Plan    Classical order Symmetry breaking and low energy excitations Ref. Tal...
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2012年度大学説明会:教員からのメッセージ

2012年度 大学説明会「教員からのメッセージ」初貝 安弘1. 現在どんな研究をしているか 物質の性質とそこで起きる現象を物理的に理解する学問を物性物理学といいます。皆さんの使っている携帯電話、パソコン等の情報機器の物質的基礎は半導体にありますが、半導体の研究も物性物理学の一部です。電気抵抗がゼロになる超伝導や、磁石の起源である磁性も、CD,DVDの読み書きに使われている物質と光(レーザー光)との...
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平成23年度 筑波大学理工学群物理学類学位授与式 物理学類長式辞

平成24 年3 月23 日筑波大学理工学群 物理学類 学位授与式 物理学類長 初貝安弘式辞皆さん、本日はご卒業おめでとうございます。入学以来本日の卒業にいたるまでの努力が報いられたわけです、まずは心からお祝い申し上げます。入学以来、皆さんは物理学はじめ多くの学問を学んできてわけですが、現代の大学教育、特に物理学教育のレベルはほぼ20世紀の現代物理学の基礎をほ ぼ全てを四年間でほぼ教育するのですので...
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統計物理学 (2011)

 統計物理学 (2011):物理学類3年生対象  量子統計力学の基礎を復習し、その後に揺らぎの理論の基礎を学ぶ(講義内容は予定) 基礎的な量子統計力学のまとめ  第1回:理解度確認試験:12月7日(水): ♣統計力学の原理 ♣量子力学の基礎 ♣量子統計力学の基礎 ♣統計力学に関する現象 第2回:密度行列とは:12月14日(水) ♣システムと環境、量子もつれ ♣密度行列とその性質 第3回:...
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力学A (2011)

力学A (2011):物理学類1年生対象(大学初年度) 物理学における基礎科目として、質点の運動を丁寧に学ぶ。その際、概念的には普遍性の重要性、座標変換の意義、保存則等について学び、技術的には物理学において必要とされる基礎的な数学(微分方程式、線形代数、ベクトル解析)の一部★を厳密性は犠牲にしても理解できて使える算術の方法として自己完結的に講義する。また適宜レポート問題を主とする演習を行う。 一般...
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原点

「原点」 筑波大学新聞 2011年4月 物理学専攻 初貝安弘 既に三十年前になるが、十八で大学に入学したときが、いろいろな意味で自己を確立するための原点であったといえよう。毎春入学する学生の皆さん同様、若者なりの志と目標を持っていたように思うが、思い返すにすべてに迷っていた。希望もあったと思うが、なにも定まっていなかった。親元を離れ都会で一人で生活することの自由と不自由のなか、新しい個性的な友人に...
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物理学はじめの一歩

大学初年次の学生の皆さんを対象に力学の初歩の初歩を学びつつ、物理学において必要とされる算術のイロハを講義することとなりました。ご参考までに内容をご紹介します。 2011,  2012 参考になる書籍を紹介します。 一般力学: 山内恭彦(岩波書店) 見たことない物理屋はもぐり 解析概論: 高木貞治 (岩波書店) 理科系の大学卒なら必ずもっているハズ 物理学のための応用解析: 初貝安弘 (サイエンス社...
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2次元と3次元でぐるぐる

3次元空間にある物体の回転は(x,y,z)軸の組(フレーム)の向きを固定した取り直しで指定されます。この操作はSO(3)と呼ばれるあつまり(群)をつくります。するとぐるぐる回すという回転操作の過程はSO(3)の中の曲線を意味することとなります(世界線)。   よって、ぐるぐる回してもとに戻る過程はSO(3)の閉曲線をつくることとなります。一気に3次元だとちょっと難しいので2次元での回転つ...
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クラマース縮退と四元数的ベリー接続

時間反転な系特有のクラマース縮退は4元数(Quaternion)により自然に記述されます。  一般に波動関数の位相の不定性はベリー接続に U(1) のゲージ構造をあたえますが、クラマース縮退のある場合、それはSp(1)ゲージ構造となります。また、ベリー接続の特異点を与える偶然縮退は一般にはDirac単磁極を与えますが、時間反転不変な場合、この特異点はYang のSU(2)単磁極となります。この例の...
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物理学が大事にするもの(大学新入生に向けて)

皆さんは物理学に対して色々なイメージを持っていると思いますが、この機会に物理学が大事にしてきたものについて、少し説明してみたいと思います。物理学の研究者には多くのタイプがありますから、「これ」と一つだけをとり上げることは簡単ではありませんが,「普遍性」(英語ではUniversalityと呼びます) は物理学の多くの分野にわたって最も重要な概念の一つであることは間違いありません。文字通りの意味では広...
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ベリー位相

断熱定理のところで説明したように量子系が時間的に変化しない定常状態にあり、かつ他の状態とエネルギーギャップをもって隔てられているとしましょう。ここでは小鳥が1わ入った鳥かごをイメージしてみます。この系を断熱定理の仮定を満たすようにゆっくり移動させ、最後にもとの位置に戻すことを考えましょう。鳥の入った鳥かごをそ~っと2階までもっていってまたそーっと1階にある元の場所に戻すわけです。断熱定理によるとこ...
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断熱定理

原子(アトム)とはギリシャ時代に物質をどんどん細かく分けていくとあるところで、これ以上は分けられないもの、分けてしまうと性質が変わってしてしまうものとして、観念的(哲学的)に考えられたものですが,量子力学の量子とはこれと類似のある何か基本的なを意味します。例として信号機の赤色の光を考えてみましょう。信号の出力を絞っていくとどんどん暗くなりますが、光を量子論的に考えるといくらでも暗くできるのではなく...
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量子論と経路積分

量子論における確率解釈:粒子の運動は各時刻における粒子の場所を指定すれば完全に確定します。例として1次元的な運動をする粒子を考えてみましょう。たとえば、量子細線の中の粒子や塀の上を歩いている猫などを想像してみてください。このときは、横軸に時刻、縦軸に粒子の位置をプロットした紙に書いたグラフ、中学以来学んだグラフですね、これを書けば粒子の運動が決定されたことになります。このグラフのことを世界線とよび...
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アハロノフ・ボーム効果

例えば、変圧器のなかにあるようなコイルを考えてみましょう。コイルに電流をながすとその中に電磁誘導で磁束が発生することはよく知られています。このとき発生する磁場はコイルのなかだけに存在してコイルからそとにはでないことに注意しましょう。 こんな設定で電子等、量子力学的な荷電粒子をこのコイルのそばを飛行させると磁場は全くないにも関わらずその効果をうけて例えば磁束の強さを変化させるとその大きさとともに周期...
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フラストレート磁性体における量子秩序

磁性体におけるフラストレーションとは、古典的かつ局所的で、さらには唯一のスピン配置が自明に存在しないことと考えられます。この直接の帰結として、古典的な局所秩序変数の非存在と多数の近似的な局所安定状態の存在による特異な低エネルギーの励起ならびに低温での大きなエントロピーの存在が示唆されることになります。 一方、量子磁性体においては量子効果によりこの古典的フラストレーションと大きな残留エントロピーも解...
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幾何学的位相

まず、量子力学ならび量子力学に従う物理系においては複素数が本質的であり複素数は絶対値と位相に分けられることに注意しましょう。これだけわかれば、量子力学での位相の効果のどうしても取り除けない「本質的」部分が「幾何学的位相」であると言えます。 技術的には量子系における記述はある空間での演算子並びにある基底によるその行列要素を用いてなされます。そこでは種々の基底変換の自由度があり、それ に対応して複素量...
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秩序変数と対称性の破れ

世の中には極めてたくさんのものつまり物質があり、それらはいろいろな形態をとっています。たとえば、水、炭酸ガス、シリコン、鉄などの物質が氷、水蒸気、ドライアイス、結晶、非結晶、磁石、等の形態をとっているわけです。これら物質の形態の違いをきちんと理解することが物性物理の基本であり、物質を用いた物質科学もこの作業なくしては近年のめざましい発展はあり得ないものでした。これら物質の形態は物理的には「相」とし...
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量子液体

気体という「相」においてはその構成粒子のあいだに特定の位置の相関がなく、固体は粒子同士が規則的に並ぶといった強い位置の相関によって特徴付けられます。液体はその中間程度の位置の相関を持った相であるといえます。このように古典的な物理としても液体は少々微妙な位置にあることにまず注意しましょう。 それでは現代科学がその基礎とする量子力学的な世界観にたって現在の物性科学を考えてみましょう。通常の生活において...
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